こんにちは。
神奈川県川崎市の磁器絵付け作家
なが田カガリです。
今日は私が初めて
ポーセリンペインティングというものに
出会った時のお話をしようと思います。
目次
ポーセリンペインティングとの出会い
私がポーセリンペインティングと
出会ったのは 1996年。
新婚で初めての海外赴任先だった
香港で仲良くなったお友達に
誘われたことが始まりです。
それまでは
そんなに食器にも興味がなかったのですが
赴任先の香港はお買い物天国🇭🇰
高級ブランド品が
世界一安く買えるところだったので
沢山の良いものを見る機会に恵まれて
ブランド食器にも
メキメキ興味が湧いて来た頃でした。
1995年に赴任して以来、
新婚にも関わらず
夫は出張でほとんど不在。
月の半分以上を独り暮らしだった私は
お友達に誘われればとりあえず
なんでも体験してみようと
いろんなことに首を突っ込んでいました。
1995年当時はまだ
インターネットも携帯電話もありませんから
お友達との交流や情報交換は
生活する上でとても
大切なファクターでした。
香港には
現地に滞在している日本人のために
レストランや図書館、
習い事ができる交流の場として
日本人クラブというのがあります。
駐在員は企業が会費を出してくれるので
自由に出入りができ、
日本人同士の交流にも
欠かせない場となっていました。
ここでは様々な習い事も
開催されていたので
私はお友達と一緒に
水墨画を習いはじめました。
ポーセリンペインティングの基礎になった水墨画レッスン
お友達に誘っていただいたので
日本人クラブで開催されていた
水墨画教室に申し込んでみました。
元々美術短大を卒業してからも
細々と絵を描くことは続けていたので
どんな形でもいいので
絵を描き続けたかったので
「面白そうだな〜」という
軽いノリで入ってはみたものの
これがま〜難しい💦
水墨画って、
だいたい想像がつくと思いますが
墨と筆を使って描いていきます。
基礎講座では単色で
墨だけを使って竹を描きます。
竹はストロークを習得する上で基本のキ。
お習字で言うところの
「永」字をマスターするようなものなんです。
留め、はね、祓いなど、
漢字の「永」には
全ての要素が 含まれていると
言われていますが
水墨画で描く竹にも
基本がぎゅーっと詰まっているのです。
なので、
先生もとても力を入れているのでしょう。
何度書き直しても
全然オーケーがもらえず
そのうち一緒に習い始めたお友達も
1人、また1人とレッスンから
足が遠のいていきました。
そんな中、
私はなんとか 歯を食いしばって
1年は頑張ったのですが
次の更新時期にやっぱり挫折😭
結局1年頑張って
竹の絵と梅の絵が完成したのみでした。
そしてその頃に描いた作品、
今は1枚も残っていません。
1枚くらい取っておけば良かったかな。
しかし、
この水墨画との出会いが
意外にも後々始めるポーセリンペインティングに
非常に役に立つことに成ります。
もちろん、
この時はそんなこと
思う由もありませんでした笑笑
ポーセリンペインティングを始めたら…
水墨画をやめて
正直ほっとしていましたが
英会話教室以外の習い事を
なにもやっていなかったので
毎日時間が有り余ってしまい、
「さあ、次はなにをやろうかしら?」
と思っていたタイミングで
お誘いいただいたのが
ポーセリンペインティングです。
「マイセンみたいなバラを
自分で描けるなんて
そんな夢のような習い事なんて
あるのかしら?」
そう思いながら
軽い気持ちで 通い始めたのです。
始めた頃はなんとなく通っていました。
お教室の雰囲気が
アウェー感がすごかったのもあるかなあ。
狭い香港の中で
日本人が気軽に習える習い事は
そんなに多くはなかったし、
ましてや珍しい習い事だったのもあって、
先生のお宅に
すごい数の生徒さんが通っていたので
実はあまり教えていただける
時間が無かったのです。
それに、
またもや 一緒に通い出したお友達は
1〜2枚描いたらすぐに
通うのをやめてしまって
1人で通っていたのもあり、
既に出来上がっているコミュニティに
入ることもできず
楽しむところまでは行かなかったんですね。
レッスンは、
先生が時々声をかけてくださって
お見本を描いてくださるのを
見よう見まねで描きます。
なので上手になんて描けるわけはなく、
本当に下手くそです。
ポーセリンペインティング初めての作品は忘れな草を描いたソープトレー
上の写真が初めて描いた作品。
忘れな草を描いたソープトレー。
1996年の作品です。
一見綺麗に見えますが
金彩も曲がっていて
当たり前ですがとても稚拙な作品ですね。
う〜ん。
アップで見ると粗が目立ちますね。
でも肉眼ではここまでは見えませんし、
初めて描いたと言うことで
ものすごい達成感を味わいました。
ポーセリンペインティングには意外にも水墨画が役に立ちました。
ポーセリンペインティングを始めて
ちょっとびっくりしたのですが
1年間苦しみ続けた水墨画が
とても役に立っていたのです。
毎回毎回 竹しか描かせたもらえず
徹底的に鍛えられたストローク練習のおかげで
いつの間にか筆の使い方を
マスターしていたらしく、
力の入れ抜きなどは
大変スムーズにいきました。
ポーセリンペインティングの
基本のストロークに
筆に絵の具を含ませるときに
グラデーションになるように
するのですが
水墨画でも同じように
グラデーションに色が出せるように
筆に墨を含ませるのです。
また、筆の下ろし方や上げ方なども
筆の大きさの違いこそありましたが
基本が同じです。
静かにお皿の上にランディングして、
雫のような形になるように
力を抜き差しします。
なので、ストロークについては
初めから躓くことなく
上手くいきました。
何事も無駄になると言うことは ないんですね。
大袈裟な話ですが
どんな些細なことでも
気がつくとそれが後々の
自分のスタイルに 大きく影響したり、
それが仕事に繋がったり、
人との出会いが人生を変えたり、
回り道したと思っても
結局は近道だったりと
不思議と無駄になることがないなって
最近すごく思うのです。
水墨画を習ったことも
その時は無駄だったかなと
ちょっと後悔していましたが
今はあの時やっておいて良かったと
思っています。
そんなわけで
これがポーセリンペインティングとの
最初の出会いでした。
ほんの些細なきっかけが
自分のライフワークに繋がるなんて
その時は思いもしませんでしたが
いくつになっても
色々なことに 興味を持って
体験してみると言うことは
とても大切なことだと実感しています。
最後までお読みいただき ありがとうございました。
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