100円ショップで売っている食器は安全ですか?

こんにちは。

神奈川県川崎市の磁器絵付け・ポーセラーツ教室
アトリエセラン なが田カガリです。

皆さんは普段よく使う食器は
どこで買ったものを使っていますか?

 

ぼっくん

特にこだわりがないから100均で買ったマグカップ使ってるかなー

 

せーたん&ふわたん

可愛い食器がたくさんあるから100ショップのお皿は好きですよ。

 

うんうん、たしかに!

100円ショップやニトリ、無印良品など
近頃はお手頃価格でおしゃれでかわいい食器が
気軽に購入できますね。

 

でもおしゃれさや可愛いを重視して
その食器が安全に使えるものかって
あんまり考えたことない方もいらっしゃるのでは?

 

実は、安い食器の中には
安全性に疑問の残るものもあるんです。

 

 

せーたん

え?

 

今回は気軽に買える100円ショップの食器をはじめ
食器の安全性について考えてみようと思います。

 

また、どんな食器なら買っても良いのか?
とても信憑性のある報告書もネット上に見つけたので
リンクを共有しますね。

 

「知らなかったー!」と思うことや
「それ知ってるよ」ということまで
いろいろあると思うので
楽しんで読んでいただけたら幸いです。

 

 

この記事を書いている私は
白磁に絵を描く

・絵付け歴25年
・ポーセラーツ認定講師
・彩色チャイナペインティング本部講師
・ペット肖像画作家

で、普段使っているお気に入りの食器は

ほとんどがリチャードジノリのベッキオホワイト
のひとです!

それではさっそく本題に入りましょう。

 

目次

100円ショップで買える食器類は安全ですか?

 

はっきり言います。

100円ショップの食器は基本的に安全です。

 

心配していたみなさん、
100ショップの食器類は
少し気を付ければ安心して使えますよ。

 

実は高知県が県内の安い食器
¥88~¥100の食器100点について
平成14年、鉛とカドミウムの溶出について
調査をしています。

 

その結果、100点中2点が
安全基準を満たしていませんでしたが
それ以外の食器はすべて
安全基準を満たしていました。
(中国製品も含む)

 

この調査書では購入店、価格
検査結果、調査した食器の写真を
公開しています。

難しい文章は少ないので
読みやすいです。
リンクを貼っていますので
気になる方はぜひ目を通してみてください。

 

 

ではここからは
この商品テスト報告をもとに
どんな検査をしているのか、
何が検出されたら自主回収の対象になるのか
そのあたりを書いてみたいと思います。

 

100円ショップの食器。この成分が検出されたらアウト!

 

食品衛生法関係法令において
陶磁器製食器の溶出検査対象となる物質は
鉛とカドミウムです。

 

昭和の高度成長期の時代、
企業の工場からこれらの有害物質が
河川に垂れ流しされていたことで

生活用水が汚染され、
イタイイタイ病というカドミウムによる
公害病が発生し、
深刻な障害を負ってしまった人が
多くいらっしゃいました。

 

イタイイタイ病は、富山県の神通川流域で起きた日本の四大公害病の一つで、患者が「イタイ、イタイ」と泣き叫ぶことからこの名が付いたといわれています。 この病気は、大正時代頃から発生し、神岡鉱山(岐阜県飛騨市)から排出されたカドミウムが神通川の水や流域を汚染し、この川水や汚染された農地に実った米などを通じて体内に入ることで引き起こされました。<span class="su-quote-cite"><a href="https://www.pref.toyama.jp/1291/kurashi/kenkou/iryou/1291/100025/100026.html" target="_blank"> 富山県ホームページ</a></span>

 

また鉛についても
鉛中毒という言葉を聞いたことがあると思います。

 

鉛中毒の原因は、鉛入りの塗料を飲み込むことや、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器で飲食することなどです。 鉛の血中濃度が非常に高いと、人格の変化、頭痛、感覚の消失、脱力、口の中の金属味、歩行の協調障害、胃腸障害、貧血が起こることがあります。<span class="su-quote-cite"><a href="https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/25-%E5%A4%96%E5%82%B7%E3%81%A8%E4%B8%AD%E6%AF%92/%E4%B8%AD%E6%AF%92/%E9%89%9B%E4%B8%AD%E6%AF%92" target="_blank">MSDマニュアル家庭版</a></span>

 

小さなお子様向けの玩具から
鉛が検出され、自主回収となった例もあります。

鉛は江戸時代では化粧品の白粉(おしろい)として
多くの人に使われていました。
なので当時は鉛中毒でる亡くなる人が
後を絶ちませんでした。

 

また、アートに欠かせない絵の具にも
鉛やカドミウムが含まれています。
カドミウムグリーンとか、
絵の具の名前に書かれているくらい
切っても切れない物質です。

 

 

そして実は食器においても
鉛やカドミウムは微量に含まれています。

たとえば、
食器の絵付けに使用する絵の具は
鉛が含まれていて、
絵の具を早く溶かし、
艶や色合いを鮮やかにする効果があります。

そのため、昔から変わらず
使用され続けています。

 

しかし近年では
無鉛の絵の具が使用されることも
多くなりました。

鉛は長時間酸に触れると
溶出してしまうため
近年では耐酸性の絵の具が
主流となっていて、
安全性にも気を配られていますが、

 

中国製品をはじめとする
海外製品の中には低コストの
鉛の多く含まれる絵の具で印刷した食器が
大量に輸出されていることもあります。

安い食器はコストを抑えるために
焼成温度を低くしている可能性があり、
鉛が溶け残っていることもあるのです。

 

 かわいいプラナカン食器。
鉛成分が多いので眺めるだけにしましょう。

 

高知県消費生活センターの実験では
食器に4%の酢酸を入れ
24時間暗所放置後の溶出液を検査したところ
青、白、茶色などの残渣が検出されと書かれています。

これは食器に使用した絵の具から
溶出されたようです。

 

検出されたのは
中国製品だけではなく、
日本製品も含まれています。

日本製ならすべて安心
ということでもないようです。

 

100円ショップの食器だけじゃない。あの企業の食器も自主回収。

 

人気インテリアショップのニトリでも
以前に中国から輸入した土鍋から
鉛、カドミウムが溶出し、
自主回収したというニュースがありました。

 

この時の鉛やカドミウムの溶出量は
人体には影響のない量ということでしたが、
じゃあ安心ということではありませんよね。

 

現在ニトリではこのように
重要なお知らせとして
現在の食器類の販売基準を明記しています。

 

現在、弊社で取り扱っています食器類につきまして、食品衛生法に定められた方法による検査を第三者機関に改めて依頼し、安全性が再確認されております。安心してご使用になれます。 ※食器類につきましては、事前に食品衛生法による検査に合格する事が義務付けられ安全性を確認したうえで販売を開始しました。<span class="su-quote-cite"><a href="https://www.nitori.co.jp/news/cat8/post_1.html" target="_blank">ニトリお客様相談室</a></span>

 

このように不安になってしまうような
食器の安全性についてですが、

少し気を付ければ
安全に使用することができます。

 

 

100円ショップの食器を安全に利用するために注意すること

 

さて、ここまでは少し怖い情報を
取り上げてきましたが、

100ショップの食器は
全部が危険というわけではありません。

 

「沢山ある食器類の一部に人体には影響のない程度の
鉛やカドミウムが検出された。」

という認識でよいと思います。
しかし、毎日使う食器ですから
少しの溶出でも絶対いやですよね。

 

 

ぼっくん

どんな食器を選べば安心なのか教えてください

承知しました!
では
どんな食器なら安心なのでしょうか?

 

先述した高知県消費生活センターのレポートでも
中国製品だけではなく
日本製品でも鉛の溶出が認められました。

そのすべてが、陶器製の食器です。

 

陶器は土ものと、以前の記事でも書きましたが、
土の中に含まれている有害物質が
陶器を作る粘土に混ざっている恐れがあります。

石を細かく粉砕して粘性を出し
粘土状にしてから製造する磁器と比べて
有害物質が入り込みやすいのも
あるのではないかと思います。

 

 

特に中国製品ではまだまだ
環境問題への認識が甘く、
土壌汚染も懸念されるので

陶器を製造するのに適した粘土に
汚染物質が含まれている可能性は
否定できません。

 

また、日本製の陶器は
中国製品ほどは心配ではない気がしますが、
そもそも陶磁器を使用可能にするための
釉薬に鉛が含まれています。

高知県消費生活センターの実験でも
日本製の陶器からも鉛が溶出されました。

 

なので陶器については
100円ショップの食器や
中国製品などの海外製品は避けた方が無難です。

安い食器はコストを抑えるために
焼成温度を低くしている可能性があり、
鉛が溶け残っていることもあるので

できれば日本のメーカーのものを
適正価格で購入されるのが良いと思います。

 

 

また、一般に鉛が最も多く含まれているのは
和食器に使用する和絵の具です。
和食器の中には食品を乗せるところにも
豪華な絵柄が描かれているものもありますが、

和絵の具には鉛のほかにも
ガラス成分が多く含まれていて
模様が割れたり剥がれたりする危険もあります。

 

柄がはがれて小さなガラスの破片で
口の中を切ってしまったり、
飲み込んでしまうこともないとは言えません。

和食器を選ぶ際には
食品を乗せる面に模様のないものを選ぶか、
下絵付けされた食器(釉薬の下に模様がある)を
選べば安心です。

 

染付は安心して使えますね。

 

磁器製品についても
絵付けされた模様や
印刷された模様を描くのに
専用の絵の具を使用しますが

食器用の絵の具にも
鉛やカドミウムは含まれています。

なので、日常的に使用する食器は
なるべく食品を乗せる面に
模様のないものを選ぶ方が良いですね。

 

 

また、食品を乗せるところに模様のあるお皿でも
電子レンジの使用を避けたり
食べ物を直接乗せないなど(レースペーパーを敷くなど)
工夫して使えば問題ないと思います。

これらのことに気を付ければ
100円ショップの食器でも
安心してお使いいただけるのではないでしょうか。

 

 

でも一番安心なのは
自分で食器をデザインして作ること!
ポーセラーツなら
好きな模様を選んで好きなところに貼って
自分だけのオリジナルの食器を作れます。

食品を乗せるところに模様を入れないようにしたり
ワンポイントで入れるなども自由自在。

どうやって作るのかを知りたい方は
こちらで体験レッスンしてみてください。

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたか?

安い100ショップの食器も
日本製で、食べ物を乗せるところに
模様がないものを選べば

安全に楽しく使えることが
お判りいただけたと思います。

 

また、模様のあるお皿は
電子レンジの使用を避けたり
食べ物を直接乗せないなど
工夫して使えば問題ないことも
わかりましたね。

 

すべての陶磁器には
多かれ少なかれ鉛やカドミウムなど
金属化合物が含まれています。

全部を避けようとしても難しいし、
基本的には厳しい検査をパスしたものだけが
流通しています。

 

なのであまり神経質にならず
お気に入りに囲まれた
楽しいモグモグタイムになるよう
心がけてくださいね。

 

最後にお知らせ!

 

 

私はお皿を可愛く装飾したり
陶板にペットの絵を描いたり
食器とはとても縁の深い仕事をしています。

ペットの肖像画やアートとしての絵付けは
お料理を乗せるような日常食器として
使うことはないので
安全性をことさらに
気にすることもないのですが、

 

ポーセラーツは普段の暮らしに寄り添った
食器をデザインするホビーなので
作って終わりではなく、
使って楽しめるからこそ
安全性にはこだわりたいところです。

 

一番安心なのは
自分で食器をデザインして作ること!

ポーセラーツなら
好きな模様を選んで好きなところに貼って
自分だけのオリジナルの食器を作れます。

食品を乗せるところに模様を入れないようにしたり
ワンポイントで入れるなども自由自在。

どうやって作るのかを知りたい方は
こちらで体験レッスンしてみてください。

 

 

 

ということで
今回はこの辺で。

 

またねー

 

 

お友達になってね💗